東北地方は、本州の最北端にあり、南北に長く広がっている。奧羽山脈を境として、太平洋側(cè)と日本海側(cè)とに分けられるが、南と北とでは、気溫の差や京浜への距離の差が大きく、南部と北部に分けることもある。東北地方には青森、巖手、宮城、秋田、山形、福島の６県がある。東北地方の面積は全國の五分の一近くを占めているが、人口はわずか全國の十分の一ほどであり、人口密度は北海道に次いで低い。工業(yè)人口が少なく、農(nóng)業(yè)、特に米作りによって生活する人が多い。

　　東北地方は、本州の北部にあって、北は津軽海峽を隔てて北海道の渡島半島と向かい合い、南は関東地方、南西は中部地方の新潟県に続いている。東北地方は、昔「みちのく」と呼ばれていた。これは道の奧の行き止まりという意味で、早くから文化の開けた近畿地方から見て、遠(yuǎn)くの國の果ての地方として名付けられたものである。江戸時代には、農(nóng)林業(yè)の開発が進(jìn)んで稲作が盛んになり、多くの鉱山も開かれた。第二次世界大戦後、食料生産と資源を開発することが急務(wù)となり、特に農(nóng)業(yè)の改良に力が注がれたので、東北地方は日本でも有數(shù)の米の大産地となり、全國生産量の約4分の1以上を占めている。最近では、交通の整備や資源の開発が進(jìn)み、南部では工場が増え、産業(yè)活動が活発になり、生活も近代的になってきた。

　　東北地方は中央を南北に連なる奧羽山脈によって、太平洋側(cè)と日本海側(cè)とに分けられ、太平洋側(cè)には起伏の緩やかな北上?阿武隈の2山地が並び、日本海側(cè)にはなだらかな出羽山地と、三國山脈に続く険しい越後山脈とがある。奧羽山脈には那須火山帯が、出羽山地と越後山脈には鳥海火山帯が重なっている。

　　奧羽山脈は日本一長い山脈で、500キロもあり、東北地方の中央に連なっているため、太平洋側(cè)と日本海側(cè)の分水嶺をなしている。この山脈には、八甲田山?巖手山?蔵王山?磐梯山などの火山が聳え、北にはカルデラ湖の十和田湖、南には火山の爆発によって塞き止められてできた豬苗代湖がある。また、溫泉も數(shù)多く湧いており、火山や湖、原生林の景色が美しいので、國立公園?國定公園に指定されているところが沢山ある。

　　奧羽山脈の東側(cè)には、北上川や阿武隈川に沿って北上盆地?仙臺平野?福島盆地などがあり、西側(cè)には、最上川?雄物川その他の川の流域に橫手?山形?米沢?會津などの盆地や、津軽?秋田?莊內(nèi)などの平野がそれぞれ南北に開けている。

　　北上川は奧羽山脈と北上山地の間を、北から南に流れ、下流部に仙臺平野をつくっている、東北で一番長い川である。北上盆地はこの川に沿って南北に細(xì)長く開けている。阿武隈川は、奧羽山脈と阿武隈山地の間を、南から北に流れている川である。それに沿って郡山盆地や福島盆地がある。仙臺平野は東北で一番広い。

　　海岸は、日本海側(cè)では大きな砂丘が長く続いており、出入りが少なく、太平洋側(cè)では三陸海岸の南部は鋸の歯のように、入り江と岬が入り込むリアス式海岸となっている。また東北地方の北端にある、下北半島と津軽半島に挾まれた陸奧灣は東北第一の灣である。

　　気候は、大きく太平洋式気候と日本海式気候とに分けられる。冬の北西季節(jié)風(fēng)は奧羽山脈を越えるときに雪を降らせるので、太平洋側(cè)へ來たときは乾いた風(fēng)になる。そのため、太平洋側(cè)は雪が少なく、晴れた日が続いている。日本海側(cè)は、冬になるとシベリア方面から吹き付けてきた冷たい北西の季節(jié)風(fēng)が、雪を降らせるので、北陸に次ぐ深雪地帯である。冬の間は雪に閉じ込められ、農(nóng)村では冬の仕事が少なくなるので、出稼ぎに行く人が沢山いる。

　　東北地方には米をはじめ、林業(yè)、水産などで、全國的な地位を占める特産物が多い。特に、農(nóng)業(yè)は米作りが中心で、日本の重要な穀倉地帯である。日本海側(cè)の莊內(nèi)、秋田などの平野、太平洋側(cè)の仙臺平野の米が一番有名である。東北地方では、農(nóng)業(yè)収入の大部分を稲作から得ている農(nóng)家が多い。稲作以外は、山形盆地や仙臺の南のほうでは紅花がつくられ、染物の原料として京都のほうへ送られていた。東北地方にある果物は、リンゴ?桃?梨?葡萄?サクランボなどが各地で作られるようになった。青森県は日本一のリンゴの産地であり、りんごの生産量は日本全國の７０％を占めており、サクランボの生産は東北地方が日本全國の９０％近くを占めており、山形盆地が生産の中心地である。

　　東北地方の山地には森林が良く茂り、日本の森林面積のおよそ1/5を占めている。青森県のひば、秋田県の杉、巖手県の赤松が有名で、東北の三大美林といわれている。東北の森林は多くが國有で、國が経営?管理しており、伐採や運(yùn)搬にも機(jī)械が多く用いられる。

　　東北地方の三陸海岸の沖には、日本海流と呼ばれる暖流が北東に向かって流れ、千島海流と呼ばれる寒流が北から流れてくる。暖流と寒流が出會うところには、魚の餌になるプランクトンが多いので、魚類が豊かである。三陸沖では、暖流に乗ってくる鰹、鮪や、寒流に乗って南下してくる秋刀魚、鮭などの漁業(yè)が盛んで、漁期には各地から多くの漁船が集まってくる。青森県の八戸、巖手県の宮古?釜石?大船渡、宮城県の気仙沼?石巻?塩釜などは大漁場になっており、水産加工も行われている。

　　東北地方では、伝統(tǒng)的な在來工業(yè)のほか、釜石の製鉄や秋田の石油精製をはじめ、製材業(yè)?食品工業(yè)など、地元の資源を利用した工業(yè)が発達(dá)している。しかし、工業(yè)都市はいずれも分散しており、互いの結(jié)びつきは弱く、日本全國的に見ると工業(yè)生産高はきわめて低い。在來工業(yè)は、この地元の原料を利用して、家內(nèi)工業(yè)の技術(shù)によって古くから発達(dá)し、今も各地に殘っている。主な製品には、盛岡の鉄瓶、能代の春慶塗り?青森の津軽塗りなどの漆器、米沢の絹織物、山形県の平清水焼きなどの陶磁器がある。仙臺、八戸、秋田などの都市に工業(yè)があるが、大きな工業(yè)地帯はない。仙臺灣地區(qū)には石油精製?金屬?電線?缶詰?造船?ゴム?印刷?食品?タイヤ?パルプ?電気機(jī)器?機(jī)械など、いろいろな種類の工場が集まっている。そのほか、自動車工業(yè)団地?鉄鋼団地?卸売団地?倉庫団地などが仙臺の市街地と港の間にできている。仙臺灣地區(qū)は、東北地方では最も発達(dá)した地區(qū)である。秋田灣地區(qū)では、天然ガスの産出も多く、石油を利用した火力発電所もつくられ、近代工業(yè)が発展する條件に恵まれている。この地區(qū)には、石油精製?化學(xué)肥料?金屬精錬?パルプ?紙などの大きな工場がある。

　　仙臺市は東北地方の文化、政治の中心地となっている。最近では、人口の増加とともに、住宅地が周辺に広がり、都市化が著しく進(jìn)んでいる。今日では政府の出先機(jī)関が多く、また交通では東京との連絡(luò)が便利になったほか、仙臺を始発とする特急?急行列車で東北地方の各地と結(jié)ばれている。

　　また、青函トンネルの開通によって、東北地方は北海道と直接つながるようになった。そのほか、各地に空港もある。

　　東北地方には高い火山や広い高原、美しい湖や海岸が沢山あり、溫泉にも恵まれ、多くの観光地がある。この地區(qū)には十和田、八幡平、磐梯?日光などの國立公園があって、自然風(fēng)光に誘われる遊覧客が多く、仙臺の松島は日本三景の一つで、そこにある國寶瑞厳寺は最も人目をひき、夏はこんもりと茂る松柏で遊覧客をひき、秋は紅葉に満ち、冬は世にも名の知れた樹氷がその特色を飾るのである。