1.ウイグル醫(yī)學(xué)の概況

　　ウイグル醫(yī)學(xué)は中國(guó)の新疆ウイグル自治區(qū)の伝統(tǒng)的な醫(yī)學(xué)である。その歴史は長(zhǎng)く十分な理論體系を有しており、中國(guó)の醫(yī)薬學(xué)の重要な構(gòu)成部分である。新疆地區(qū)は古代では西域の範(fàn)囲に屬した。西漢の時(shí)代（紀(jì)元206年―25年）、西域を通る"シルクロード"が商業(yè)の発展と文化の交流を促した。東方と西洋の醫(yī)薬が相次いで中亜內(nèi)陸の新疆で合流したため、地元の民族醫(yī)薬事業(yè)の発展が促進(jìn)された。そのためウイグル醫(yī)學(xué)は発展する上で、東洋と西洋のそれぞれ異なる地域と民族の醫(yī)薬の文化を吸収し、ウイグル族の特徴ある伝統(tǒng)的醫(yī)學(xué)のシステムを形成した。

　　中國(guó)唐代に発行された勅撰本草書である『新修本草』には、新疆産の本草內(nèi)薬の紹介が100種類以上掲載され、ウイグル醫(yī)學(xué)に関する実踐的成果を表している。回鶻の高昌國(guó)時(shí)代にはウイグル人が回鶻文の醫(yī)學(xué)書をまとめた。中には內(nèi)科、外科、眼科、皮膚科、産婦人科の処方箋を含めた上で、毒性を持った種子や根を食品に変える技術(shù)や、病気を治療する薬として使用する技術(shù)などを持つようになった。

　　カルハン朝（10世紀(jì)中頃～12世紀(jì)中頃）には、外科手術(shù)のできる有名な醫(yī)師である伊麻木丁?喀什噶里氏が「醫(yī)療法規(guī)解釈」を執(zhí)筆した。その中に記載されている基本的な治療法は今でも代々受け継がれている。この時(shí)代には醫(yī)學(xué)的能力を身につけるため、人材の養(yǎng)成を目的とする専門學(xué)校も設(shè)立された。元代にはウイグル族の翻訳者?安蔵氏が「難経（なんぎょう）」、「本草綱目」などの漢文薬學(xué)著作をウイグル語(yǔ)に翻訳し、ウイグル族に漢族の醫(yī)學(xué)を?qū)毪工胂缺蓼蚬郡筏俊￥饯吾帷h族もウイグル醫(yī)學(xué)の獨(dú)特の治療法を?qū)毪筏俊?/p>

　　2.ウイグル醫(yī)學(xué)の基本理論

　　ウイグル醫(yī)學(xué)の醫(yī)學(xué)理論は、自然界にある四元素説（火?気?水?土）と四體液説（血液、粘液、黃膽汁、黒膽汁）を基礎(chǔ)に、人體と外界環(huán)境間の相互関係を解析し獨(dú)特な診斷方法と治療方法を確立した。

　　3.ウイグル醫(yī)學(xué)の治療法

　　ウイグル醫(yī)學(xué)は觸診、視診、問(wèn)診で病狀を診斷する。內(nèi)科の病気を治療する場(chǎng)合は內(nèi)服を中心に、シロップ剤や軟膏剤は必要に応じて処方し、薬草を煎じた蒸気で患部を蒸すという熱気治療法や瀉血療法、溫罨法（おんあんぽう）、吸い玉療法、食事療法など10種類以上もの治療法を併用して治療を行っている。こういったウイグル醫(yī)學(xué)ならではの治療法は心臓病、肝臓?膽嚢の病気、胃の病気、結(jié)石、赤痢、精神病、尋常性白斑などの病気に効果がある。外科の病気を治療する場(chǎng)合は內(nèi)服薬や薬剤を紙や布に広げて患部に展著する治療法、手術(shù)などの治療法がある。

　　また、新疆ウイグル自治區(qū)トルファン地區(qū)には熱砂療法がある。その名の通り、照りつける太陽(yáng)に熱せられた砂漠の砂の中に體を埋めて行う民間療法だ。この療法は関節(jié)炎、足腰痛、胃腸炎などの病気を治す効果がある。

　　ウイグル醫(yī)學(xué)の薬剤は主薬と加薬に分かれている。加薬とは主薬に少量の補(bǔ)助の薬を加えること、またその薬のこと。一般的には単一成分による薬（単剤）は使わず、複數(shù)の生薬を配合して用いる。多い場(chǎng)合は50種類以上、少なくとも7種類が必要である。

　　4.ウイグル族醫(yī)師の薬の使用習(xí)慣

　　調(diào)査によると、新疆ウイグル族自治區(qū)にはウイグル族醫(yī)薬が600種あり、そのうち常用されているものは360種程である。また、地元で生産されたものは160種でウイグル族醫(yī)薬総數(shù)の27％を占めている。中でも芳香性醫(yī)薬が多く使用されている。例えば、麝香、ビーバー香、黛衣草、リラなどで、そのほか強(qiáng)い毒性の有るマチンの種、曼陀羅、天仙子などがよく使用される。